太陽光発電は売電できる今が買い時?もっと安くなってからが買い時?
太陽光発電で作った電気を19円で売ることができる正式な期限は「2022年3月31日までに設置して電力会社と契約ができた場合」です。2022年度では2円下がって1kwあたり17円、それ以降の売電価格などは未決定です。なので「売るのが目的」の場合は売電価格が確定している、まさに今が買い時と言えます。
しかし太陽光発電システムの価格ダウンを待つのも一つの手です。今現在太陽光パネルは「1kW30万円」前後が相場ですが、世界の市場を見ると、この相場価格はまだまだ高いと言えます。各国の物価事情もありますが、安い国だと「1kW2~3万円」なんて国もあるくらいです。だからもうちょっと価格が落ちるのを待つというのも、アリだと思います。
ただしその時には売電のメリットが失われている可能性が高く、太陽光発電を付けるメリットは「電気を買わなくて済む」が一番の理由になると考えられます。そうなると電気をためることができる設備「蓄電池」が必要不可欠となるので、その分の費用が増えることになり、結果的に導入費用は今とさほど変わらないかもしれません。
※もしこの時「蓄電池を付けない」を選択すれば導入費用は浮きますが、売電できない状況であれば昼間余った電気は垂れ流し状態なので、なんのメリットもありません
なので、太陽光発電の買い時は「売電できるうちが安泰(元が取れる期間が早い)」それ以降は電気を買電しなくて済むシミュレーション次第で考えるのがベターではないでしょうか。
どちらにせよ、将来は今より電気代が高くなるとの見方が強いので、「電気を作れる(蓄える)仕組みが家にある」というのは大きな強みと言えます。
「太陽光発電?10年後に考えるよ」
よくある考え方の一つに「太陽光発電がもっと普及すれば自然と価格が下がるだろうから…うぅん…10年後に考えるよ」というのがあります。
それは「10年間電気代を払い続ける」ということになります。
まずハッキリ言えるのは、太陽光発電システムは付けたその瞬間から償却が始まる!ということです。もし10年後に初期費用が安くなっていようと償却が始まるのはそこからです。今付けておけば10年後には元が取れてる可能性が多いにあります。
これは「賃貸暮らしの人が、いつ家を買うか!?」に似ています。
- 借入金の金利…
- 地価の動向…等々
検討すべき点はいくつかあるが、「早めに買う」ことでトータルで払う家賃の額が減っていくという点です。
国からの補助金が無くなったから買い時じゃない?
国からの補助金がなくても充分買い時です
元々、国からの太陽光発電の補助金は2009年の始まった当初より「5年間の期間限定」としてスタートしています。そして遂に2014年3月31日をもって国からの補助金は無くなりました。
政府としては「太陽光発電の普及」が最重要課題です。しかし太陽光発電システムは高すぎる。だから補助金を出して少しでも負担を軽くしてあげよう!こういった経緯で始まった補助金制度。昔はお金持ちだけがつけられるような馬鹿げた金額。今は家を持ってる人なら誰でも導入を検討できる位までに価格は下がってきました。
なので補助金の有り無しは、買い時とはそれほど大きな関係はありません。補助金はあくまで”補助”。「もらえてラッキー」ぐらいの考え方が丁度よいのではないでしょうか。
太陽光発電の導入を「いつの日か…」と考えているのなら、「地方自治体の補助金がもらえるうちに考える」のもひとつの得策だと思います。
※パナソニックさんのサイトです
しかし売電に関しては別です!! まさに早い方が得!!
太陽光発電は投資です
投資=利益を生み出すものにお金をつぎ込むこと
太陽光発電は導入した瞬間から利益(現金)を生み出す!
これが一般的な電化製品との根本的な大きな違いです。
<一般的な電化製品>
- 家庭の中で一番電気代がかかる
- 一日24時間、365日動いている。
- 商品自体高価
- 動かすのにガソリンが必要
- 維持費が必要(車検代・税金・駐車場代…etc)
- (高速代)
「とにかくお金が減るだけで利益はない」
しかし、太陽光発電の場合は…
売電価格が1円下がると売電収入はいくら減る?
項目\売電価格 | 37円/kWh | 33円/kWh |
---|---|---|
設置kw | 4.81kW | 4.81kW |
年間売電収入 | 17.7万円 | 15.8万円 |
10年間売電収入 | 177万円 | 158万円 |
導入費用 | 150万円 | 150万円 |
回収年数 | 約8.5年 | 約9.5年 |
※売電価格…もし4円減ったらと仮定
※設置kw…全国平均
※年間売電収入…分かりやすくするため自家消費量0で計算。なので実際の回収年数は更に長くなります。
※導入費用…最新相場を参考に仮定
4.81kWの太陽光発電の場合、売電価格が4円減ると年間売電価格が1万9千円減ります。
すると結果的に…
- 10年後に約20万円の損
- 回収期間で約1年の遅れ
となります。
このように「太陽光発電では売電価格というものが非常に重要になってきます」
2025年に1kwあたり10.3まで下げることが目標
政府は、太陽光発電の売電価格を2025年までに卸電力市場価格まで下げることを目標に掲げています(現在の卸電力市場価格は1kwあたり10.3円とされています)。
要は後3~4年で1kwあたり10円前後まで売電価格が下がるということです!
毎年、来年度の売電価格が決定する時期(12月~2月ごろ)は売電価格や補助金の価格変更などに間に合わせるために需要が増えます。その結果…
- メーカーの在庫不足による遅延
- 設置業者の工事集中による遅延
というようなことが原因で、狙っていた売電価格に間に合わなくなるケースが実際にあります。そんなことにならないように「早めの決断」が必要かもしれません。
太陽光発電の導入件数19年で50倍以上
2000年度5万件
⇒2019年度267万件突破!
19年間で約53倍に膨れ上がってます。要因としては
- 太陽光発電の価格低下
- 補助金制度の効果
- 高額な買取制度
この3つが主に考えられています。
その他には、消費者自身の環境問題・エネルギー問題への関心の高まりがあって、ここまで拡大してきたと考えられます。この16年の間には3.11東日本大震災がありましたからね。
太陽光発電と蓄電池の関係
蓄電池はまだまだ高値であり、寿命の問題も定かではありません。しかし、これからどんどん性能が良くなり出荷数も伸びていくのはまず間違いありません。そうなれば必然的に価格も落ちていきます。
そこに合わせる訳ではありませんが、今、太陽光発電を導入しておけば10年前後経った時、間違いなく償却を迎えています。
そこで蓄電池を太陽光発電システムに組み込めばいいだけです。「今より性能は良くなってるのに価格は安くなっている」という一石二鳥です。
太陽光発電システムと高性能の蓄電池があれば、電力の完全なる自給自足ができるようになります。