太陽光発電を設置した後によくあるトラブル事例とその対策
トラブル① 太陽光発電をつけたせいで雨漏り!?
<状況>
- 太陽光パネルをつけたら2階の天井にシミが!! まさか…雨漏り!?
<対策>
- まずは取り付けた業者に相談。念のため全く別の第3者(建築士等の適切に判断できる人)にも見てもらえればベスト。
- 意外に「雨漏りと思ったら結露だった」ということがあるようです。
とにかく「屋根に穴を開けなければ雨漏りしない」ということですから、穴を開けないで太陽光パネルを設置できれば一番安心ということになります。実際に屋根に穴を開けずに設置する工法がありますので業者さんに聞いてみるのが一番です。
「太陽光パネルを付けて5年後に雨漏りしてきた」という例もあるので用心に越したことはありません!
トラブル② 設置の仕方が雑でメーカー保証対象外!?
<状況>
- パネルを付け終わった後、工事内容がメーカー10年保証対象ではないと言われた。
- メーカーの10年保証が認定されず補助金がもらえなかった。(施工業者の保証がでれば補助金はでます)
メーカー保証対象外になる設置例
パネルが屋根から飛び出している
配線が丸見え
本来はパネルの内側にしまっていなければなりません。
トラブル③ 売電しても赤字状態!
<状況>
- 年間の電気代として払う金額と、発電した電力を売った金額が想像と違い赤字状態!
- 支払額は月々1万円~2万円と言われ「この金額は売電収入でまかなえますよ」と言われたが、実際に付けてみたら全然まかなえない。
1年間の支払いがマイナスの例
・電気代⇒12万円の支払い
・売電収入⇒5万円の収入
=年間で7万円の赤字
営業マンは「マイナスになることはないですから♪」…等と調子いいこと言うので「本当に電気代が無料になるんだ」と思って太陽光発電を付ける方もいると思います。しかし天気が悪い日や環境次第で発電量は大きく変わるので、もしかしたらマイナスになることも十分考えられます。
太陽光発電は高額な商品なのでクレジットを使う人が多く、そこでのトラブル「最初と話が違う!」はかなり多いようです。
※上記の例では12万円の電気代は太陽光がついてなければもっと高いはずなので、その分も考えると収支はトントンになっている可能性があります。
<対策>
- シミュレーションをしっかりやってくれてリスクのことも正直に話してくれる誠実な業者さんに頼みましょう。
こちらが勘違いしていることを察してくれて、何度も確認を取ってくれる業者さんならいいですが、そうでない場合、お互いの理解の相違で思わぬトラブルとなる場合があります。わからないことは恥ずかしいかもしれませんが自分が納得・理解できるまで聞くようにしましょう。
トラブル④ 「お金がかかるのは最初だけ」と言われた!
<状況>
- お金がかかるのは最初だけと言ってたのに、後からお金がかかる事がある。
<対策>
- 電気製品には必ず寿命があることを理解しておく
メンテナンス代というわけではなく、消耗品というわけなのでしかたありません。ましてや20年~30年後となると、屋根…もしくは家自体になんらかのお手入れが必要となってきます。
トラブル⑤ 太陽光パネルに鳥が糞をした!巣を作った!
<状況>
- 太陽光パネルへ糞をされる
- 太陽光パネルの下に巣をつくっている
<対策>
鳥に糞をされてしまうことの予防策は現状むずかしいと思われます。それは鳥が太陽光パネルに乗っかって糞をするのではなく、ただ、通りすがりに糞をしていくからです。
太陽光パネルに乗っかって糞をするのであれば忌避剤で効果があるかもしれませんが、はるか上空から落とされるものなので対応策は…。糞をされてからの対策を考えるしかなさそうです。
- 鳥が入りこまないようにする(ステンレス製の網を張る)
- 鳥を近づけない(忌避剤を置く)
どちらをやるにしても、自分の家の太陽光発電を設置した業者に相談するのが先決です。
網を張る | 忌避剤を置く |
---|---|
鳥の糞より「濡れ落ち葉」のほうが被害は深刻
理由:一部分だけ影の状態が続く⇒熱を持ち(通称ホットスポット)故障の原因になる。
対策:設置した業者に相談
トラブル⑥ 業者と連絡が取れない
<状況>
- パネル設置工事途中に急に業者と連絡が取れなくなった
<対策>
- 近くの弁護士や建築士に相談してみること
- 工事内容によっては雨漏りの可能性が強いので早急に手を打つべき
一番良い方法は契約の前にその会社の存在を「住所で調べる・電話をかけてみる・インターネットで調べる」等々して確認することです。
トラブル⑦ 太陽光パネルから火(煙)が出た!
<状況>
- 住宅に設置した太陽光発電から火が出た・煙が出た
- 2008年3月~2017年11月までの9年間で127件の報告(消費者安全調査委員会の発表)
- 内72件を調査し、モジュール又はケーブルからの出火は13件、パワコン又は接続箱からの出火は59件と判明。モジュール・ケーブルからの出火は件数が少ないが住宅火災に発展するかの性が高いため更に調査
- 13件のうち、施工不良が6件と約半数を占める
- ケーブルからの発火は主に施工不良が原因と推定される
- モジュールからの発火は設置後7年以上の製品で発生
消費者庁もこの問題の調査に乗り出しているようなので、今後、ハッキリとした原因が判明してくると思います。
<対策>
- 太陽光発電を正しく設置してもらう
- 設置後のメンテナンスをしっかり行ってもらう
施工不良が原因となって火災に発展するケースがとても多いことがわかります。それほど太陽光発電は設置の仕方が重要だということ。そして、いい加減に設置する業者が多かったことが顕著に現れた例だと言えます。
地域やレアケースによるトラブル4事例とその対策
① 高い建物ができて「影」がかかり売電収入が激減!
<状況>
- 隣に高いビルが建ち太陽光パネルが日陰に入り売電収入が減った
- 近くに高い高架ができるせいで大幅に売電収入が減りそうだ
こういった状況でも今現在「法律上、相手業者に補償の義務はない」というのが大問題です。公共事業でも国は補償してくれません。
<対策>
- 太陽光発電をつける前に役所等で今後の建築計画を聞く
- とにかく情報集め!
現状ではそれくらいしか対応策はありません。公共事業ではないマンションの建設などは予測のしようがありませんし、建築基準法に違反してなければ建設差し止めも難しいようです。
情報の集め方として、隣接した土地の「用途地域」を調べる方法があります。
用途地域とは、その土地にどのような建物が建てられるかということを都市計画法で定めているもので、5年に1度見直しされています。例えば、2階建ての住宅までOKとか、大型スーパーやカラオケ店舗、タワーマンションもOKなど。
詳しい説明は省きますが、用途地域で「第一種・第二種の低層住宅専用地域」という文言があればほぼ大丈夫。2階建てか、頑張って3階建て程までの住宅なので、極端に日照を遮るようなことはないと考えられます。
調べ方としては、国土交通省のホームページでも調べられますが、知識がないと少々難しいです。自治体に電話をして「○○の場所の用途地域を教えてください」と聞けば教えてもらえます。
隣地は第三者のもので、太陽光パネルメーカーや住宅メーカー等、誰もなんにも補償はしてくれないことを肝に銘じ、自分から動くようにしましょう。
② パネルから「雪」が落ちてきて車を壊した!
<状況>
- うちのパネルから雪が落ちてお隣さんの車のフロントガラスにヒビが…
- お隣さんのテラスを壊してしまった…
- 通行人に当たりむち打ちに…
太陽光パネルは表面がガラスで出来ているため滑りやすく、雪が雨樋を飛び越えお隣さんち(通行人)に…といった場合です。「雪が落ちて誰かがケガをしたとなれば、その責任は太陽光パネルの所有者になります」
<対策>
- パネルの取り付け場所を軒先から離す
- 雪止めを付ける(積もり過ぎると屋根への負担が増えますので注意が必要)
[雪止め金具] | [雪止めアングル] |
---|---|
法律上、隣の家には「妨害排除請求」という権利があります
なので自己負担で対策するしかないようです。最終的に自分一人で判断・決定するのが不安な場合は、地元に根付いている建築士さんに相談してみると良いと思います。(別途費用がかかりますが安心できると思います。)
国民生活センターでも「太陽光パネルからの落雪」に注意するように呼びかけています。絶対に太陽光パネルの雪下ろしは行わない!どうしても気になる時は設置業者や、地元の屋根屋・工務店などの専門業者に相談しましょう。
・国民生活センターからの呼びかけ:平成24年12月27日付>>
・太陽光発電協会からの呼びかけ:平成25年12月22日付>>
③ 海近で「塩」で錆びるし、メーカー保証は対象外!
基本、架台とフレームが錆びてきます。パワコン等も外に置けばご覧のとおり…。
海水のしぶきが直にかかる恐れがある重塩害地域(海岸から500m以内)はほとんどのメーカーが設置不可としています。ただ最近では技術が進歩し「海岸から10m離れていればOK」というメーカーもあります。海岸沿いだからと諦めずに一度業者さんに質問してみた方がいいですね。
<対策>
- 工事の前に業者に確認してみる。
基本、太陽光パネルは「そのメーカーの純正架台を、そのメーカーが指示するマニュアル通りに設置しないとメーカー保証対象外」となってしまいます。=補助金がもらえないという事ですのでじゅうぶん注意しましょう。(施工業者の保証がでれば補助金OKです)
④ パネルの「反射光」がまぶしくて生活できない!
<状況>
- 隣の家の太陽光パネルから反射してくる光が毎日午前中に差し込むせいで洋裁の作業ができず、ベランダの洗濯物を干すのにサングラスが必要だった。
<対策>
- 工事前に業者に確認。
<実際の判決>
横浜地裁(一審判決)はこの被害を認定し、所有者と設置工事をした会社に「北側に付けたパネル12枚の撤去と損害賠償22万円の支払い」を命じました。(実際の記事)
業者側が控訴し、東京高裁(二審判決)では逆転判決!
「実際に光が差し込む時間を調べてみたらかなり短かったこと」
「そもそも防ごうと思えばカーテン等で簡単に防げること」
…などが証明され一審判決は完全に棄却されました。詳しくはこちら
思わぬところの落とし穴…というか、まさかの出来事ですよね。まさに付けてみないとわからないことです。ただしこの件では「屋根の北側に太陽光パネルを付けた」業者にそもそもの問題があるのではないでしょうか…。
トラブルに遭わないためのたった一つの方法
「信頼のおける業者に頼む」
どのようにして信頼のおける業者を見つけることができるのか?その方法としてオススメするのが、無料一括見積もりサイトの利用です。
国の機関である国民生活センターも、「くれぐれも1社の見積もりだけで決めないで、必ず複数社の見積もりを取り、比較・検討しましょう」と注意を促しています。しかし、3社から見積もりをとっても、その3社が良くない業者だったらなんの意味もありません。ここに一括見積をオススメする理由があります!
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